たまには時事ネタ。
もうすぐPS3が発売され、さらにその翌月には任天堂Wiiが発売されるわけですが。
佳境を迎えつつある次世代ゲーム戦争、もといシェア争いは、多分最大の山場は間違いなく2006年のクリスマスでしょう。
クリスマスというイベントは本当に重要で、日本国内はもちろん、実はそれ以上に欧米での重要性はすさまじいものがあります。どのくらいかっていうと、12月24日のイベントでこけた分を、残りの364日で取り戻せる保証が出来ないくらいに。これはまあ、クリスマスというイベントに対する欧米と日本の捉え方の違いでもあるのですが。なんせこの時だけは、欧米では5万とかそのくらいのアイテムでもさくっと購入してプレゼントに使うそうですから。
まあそんなわけで、最重要とも言える2006年クリスマス。
実際のところ、上でこんなこと書きながら、欧米での予測は正直私には出来ないので、とりあえず日本の予測を。
まずゲーム機各機種の性能ですが、事前情報や技術情報合わせると、大体こんな感じじゃないかと見てます。
PS2<X-box<Wii<<X-box360<PS3
X-boxの性能とWiiの性能は実は大差ないという話もありますが、細かいところではさすがに発売が遅いだけの違いはあるようですし。あと、総合的な性能はやはり上回りますし、何より任天堂の場合、ディスクアクセスを短くする、という技術力は図抜けてます。
さて。では価格は、というとこれが面白い。
とりあえず本体のみの価格(日本実売予定価格)で並べてみます。ちなみに最低オプション価格のみ。
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Wii | 25,000円 |
PS3 | 49,990円 |
X-box360 コアシステム | 29,800円 |
X-box360 | 39,795円 |
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これだけ並べると、PS3の割高感は拭えませんねぇ。
ただ、このX-box360 コアシステムというのはかなり曲者。要するに削れる部分を徹底的に削ったのがこれで、通常のX-box360に比べると『HDD未搭載』『コントローラー有線』といった違いがあります。無論あとからHDDを追加することが出来るのですが……要するにそれってパソコンの発想なんですよね。ゲーム機で、後から追加するって概念は古くはファミコンのディスクシステムがありますが、あれ以降コントローラーは追加しても、本体の付属品ってあまり追加されてこなかった気がします。PS2のHDDもFFXIがあったのでそこそこ売れたみたいですが、逆に言えばあれがなければほとんど売れなかったでしょうし。
結局X-box360の機能をフル活用したい場合はHDDを増設の必要が……という時点でどうなんだろうな、と。
となると、実際の価格はその下段の価格が実売……まあこれでもPS3よりは割安ですが。
もっともPS3はどう考えても原価割れしてる価格なのですが……この価格については、X-box360が本体(コアシステム)+HD-DVDドライブで5万程度価格を発表し、Blue-Ray普及の切り札であるPS3がX-boxに敗れては話にならない……という思惑から、この価格に抑えたのでしょう。要するにソニーとしては、何が何でも次世代DVD規格はBlue-Rayを主役にしたいんでしょうね。
というわけで、実はPS3とX-box360の対決は、そのまま次世代DVD規格対決ともいえるのですが……。
さすがにこの対決では、PS3のほうが日本国内に限ればソフト資産の数で圧倒的に有利なのは確かでしょう。
かつてマイクロソフトは『高性能機がゲーム史上を制する』という一体マーケティング調査部は遊んでいただけじゃないかというわけの分からない戦略で日本市場でX-boxは惨敗。その反省を(ようやく)活かして、また先行している優位性を(やっと)活かそうとPS3発売の寸前のこの時期、日本人好みするソフトタイトルを次々に発表、発売しています。
実際結構よさそうなソフトタイトルが並んでいますし、また、X-box360最大の利点の一つは、おそらく開発インターフェースの気軽さでしょう(なんせ中身はWindows)
とはいえ、PS3の持つ圧倒的なソフト資産はX-box360がどうがんばろうが覆すことは不可能です。
が。
私はどちらかというと、PS3最大のライバルは、X-box360ではなく、PS2じゃないかと思ってます。あ、Wiiはまた別ですが。これは後ほど。
PS3の売りの一つは、間違いなくPS1、PS2とここ十年近くにわたって据え置きゲーム機のトップシェアを誇り、膨大な本数発売されてきたゲームが(ほぼ)そのままプレイできることにあります。それは間違いないでしょう。
ですが、それらはPS2でプレイ可能なんです。そして、PS3の発売と同時にPS2の製造・販売が停止されるわけでもありません。つまり、これらのソフト資産というのは、それをプレイするだけなら、現在2万円以下まで値下がりしたPS2があれば事足りるのです。わざわざ、その3倍以上のお金を使ってPS3を買ってもらうためには、PS3だからこそ、というソフトが必要不可欠なのです……が。
下手なスーパーコンピューター並みの性能を持つPS3ならではのソフトって……
途方もない開発期間と開発費用を必要とするんですよね。
敵は身内にあり、じゃないですが、正直PS3は今度の2006年クリスマスは、多分日本国内でもX-box360以下の売り上げになる可能性もあるんじゃないかと私は思ってます。なんせソフトがない。おまけにソニーの初期バージョンの不具合はもはや誰もが知ってること。品質が安定し、PS3の専用ソフトもそれなりに選択肢が出てくる……来年か、あるいは再来年あたりまで、ソニーはひたすら我慢しなければならないんじゃないでしょうかねぇ。
もっともその間に、次世代据え置きゲーム機の市場に、PS3が入る余地がなくなってる可能性は十分ありますが……。
で、最後にWiiですが。
これは私が一番期待しています(バレバレ)
まずソフト資産ですが、これまで切り捨てざるを得なかったはずのファミコン、スーパーファミコン、さらには歴史の中で消えてしまったセガやPCエンジン、MSXなどのゲームまでエミュレートするという、いわば私くらいの年代にはたまらない機能を持ってます。
確かにゲームはきれいになりました。美しいグラフィックはそれだけで十分素晴らしいです。
ですが、ゲームというのはグラフィックが美しければ良作というわけではない、というのはもう誰が確認するまでもなく明らかでしょう。無論美しいに越したことはないのですが、美しいというより『見やすい』というのが実はゲームグラフィックの目指すべきところじゃないかしら、と思います。
何より、このあたりのゲームに郷愁を感じる私くらいの年代って、そこそこの購買力も持っているんですよ。大体20半ば〜40前くらいの年代ですね。とはいえ、たとえば家庭があったり子供が何人もいると、5万円の買い物ってのはクリスマスといえどそうそう出来ません。が、25000円なら……というのはあります。ソフトとあわせても3万円。
クリスマスプレゼントとしてはいいラインじゃないでしょうか。一応(大抵の会社は)ボーナスも出てますし。
そしてこれまでに任天堂自らが作ってきたゲームという枠を壊す、DSのタッチペンを超えたインターフェース。
あれは任天堂嫌いな人でも触ってみたくなるコントローラーじゃないかと思います。無論、実際にプレイしてみたら著しく期待はずれ、という可能性いだってゼロじゃありません。ですが、何より期待させられる、という点においてはトップだと私は思います。
っていうかまあ私は確定で買いますし、Wiiは。PS3は確実に様子見。当面、PS2が壊れる様子もないですしね。というか、正直よほどやりたいゲームが出ないと買わないと思います。ちなみにピンポイントだと、WildArms2のリメイク(笑)。X-box360は、よほどのことがない限りは手を出しません。
実際のところ、DSとPSPの時同様、ふたを開けてみたらWiiの独走状態、という可能性は低くない気がします。
DS同様、いわゆる『ゲーム層』以外の需要を引き出しそうな予感がするんですよね、やはり。実際、DSとPSPにしたところで、多分『ゲーム層』でのシェアだと、五分五分くらいじゃないかと思うんですよ。実際私の周りはPSP持ってる人は非常に多いですし。というかDSより多分多いですから。
とりあえず、クリスマス商戦の結果なんてのは、年明けにははっきりするでしょうが、果たしてどうなってるのか。
で、私の予想としては……Wii:PS3:X-box360で5:2:2くらいじゃないかと思ってます。数字が足りない? いやそこはPS2が入るんじゃないかと(笑)
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