春雷が鳴り響き、大音響があたりを満たした。天は重く、暗い雲によって塞がれている。間を空けず再び雷の音が鳴り響く。 まるで今のこの国の混乱を表しているようだ。だとすれば、この嵐が過ぎ去った後、一体どうなるのだろうか。ふとそんなことを考えてしまう。国と国民に対して、責任を負わねばならない立場にあることがそう考えさせるのかもしれない。望む望まないに関わらず、自分は生まれてきて、この立場にある。ヴェルダン王国王家、第三王子ジャムカとして。 |
狂ったのはどこからか、それが分かれば苦労はしない。そもそも、このヴェルダン王国はグランベルと比べると、遥かに国力も小さく、また軍備もない。まともに戦えば、勝ち目などあるはずもない。 だがそれでも、兄王子であるガンドルフがユングヴィを攻略できたのは、グランベルがヴェルダンとの友好条約を信じ、イザークとの戦争に国内の軍のほとんどをかき集めた結果、非常に無防備になっていた事が原因だった。 迂闊にそんな状態にしたのは、グランベル側の落ち度ではある。だが、だからといって侵略をしていいわけではない。それが、国家間のルールである。しかし今回、ヴェルダンはそのルールを犯し、グランベル最南端のユングヴィ公家を侵略した。そしてあろう事か、その公国の公女まで攫ってきてしまったのである。 「兄貴!!なんだってそんな無茶な真似をやった!!いくらグランベルの兵が今少ないからって、グランベル王国と本気で戦争を始める気か?!公女救出は立派な侵略の大義名分になるんだぞ!!」 弟の抗議を、兄ガンドルフはけむたげに聞いていた。サイドボードの上においてある酒瓶をそのままあおる。強いアルコールの臭気と共に、兄は口を開いた。 「ジャムカ……何をそんなに慌てる必要がある?グランベル王国の軍隊はそのほとんどが遥か東の辺境、イザークに行っている。別に恒久的にグランベルを支配などするつもりはない。奪うだけ奪う。それがヴェルダン王国の侵略だろう」 「だからいつまでたっても蛮族の国だといわれるんだ!!」 ジャムカの怒鳴り声も、ガンドルフにはそよ風程度だった。 ヴェルダン王国はもともとそれほど古い国ではない。現在の国王バトゥが出現するまでは、文字どおり国などない蛮族の国だった。もともと、深い森と大きな湖があり、統治しづらい地形であった事も要因である。40年前、この国を初めて統一したバトゥ王はその後、このヴェルダンを一つの国として認めてもらえるよう、努力し、10年ほど前、ついにグランベルとの友好条約を交わす事ができた。 以後、ヴェルダン王国はグランベル王国の同盟国として、ゆっくりだが確実に繁栄してきたのである。 それを突然破ったのは、他ならぬ父バトゥ王であった。 グランベル王国がやがて大陸全土をその手中に収めようと、戦争を開始する。今のイザーク侵略もその一端である。次に兵を向けられるのは間違いなくこのヴェルダンである。父が自分でそう思ったのか、あるいは何かが情報をもたらしたのか。とにかくバトゥ王はグランベルへの侵略を指示した。これに多いに乗ったのは長兄ガンドルフであった。 彼は昔、この地方が蛮族の土地、と呼ばれていたころの気質を強く受け継いでいた。亡き母は、父の昔のころによく似ている、と言っていたが、ガンドルフは父の気質だけしか受け継いでおらず、ただの荒くれ者に近かった。そして真っ先にグランベルへ進軍、ユングヴィ公国の公都、ユングヴィを陥落させた。しかしここで、彼はそのユングヴィの留守を預かっていたエーディン公女を誘拐して、凱旋した。 確かに基本的なヴェルダンの侵攻とは、略奪である。その点では決して間違ってはいない。しかし、今回は相手が違う。公女を誘拐されたとなれば、グランベルは公然と公女奪還を大義名分として侵略を行える。今グランベル軍の大半がイザークに行っているとしても、もう半年近く経っており、そうかからず凱旋するだろう。とすれば、次の標的は間違いなくヴェルダンになる。それは、不法な侵略ではなく、大義名分を伴った戦争になるのだ。しかも、仕掛けたのはヴェルダンの方だから、文句も言えるものではない。 「ジャムカ……何を恐れている。グランベル軍は未だその大半がイザークにある。この間にグランベルの、西半分だけでも蹂躪しておけば、しばらくは戦争などできる状態にはならんだろう。その間に、俺がユングヴィの公女と正式に結婚してしまえばいいのだ。俺はヴェルダンの王子。グランベルの公女となら身分的に不思議はなかろう?」 「な……・っ」 ジャムカは一瞬開いた口が塞がらなかった。確かに兄の行っている事は正論ではある。だが、攫ってきた公女が結婚を承諾するはずはない。兄の事だから、最終的には公女を人質として、グランベルと取引をする事でも考えているのだろう。しかし、女性を人質にするなど、ジャムカには到底耐えられるものではなかった。 「兄貴。兄貴にはヴェルダンの戦士としての誇りはないのか!!」 「誇りだけで戦えると思うのか。俺はこんな片田舎の王子で終わるつもりはないんだ」 ガンドルフは弟の抗議など、まるで聞く耳持たぬ、といった様子であっさりと言い返した。 兄は野心に取り付かれている。ジャムカにはそう感じた。もともと、我の強さでは兄弟随一だった。しかし、これほどではなかったはずだ。そうは思っても、ジャムカは口応え出来なかった。それは、彼が弟王子であることに起因しているのだ。 |
「誰……?」 か細い声がジャムカの耳に響いた。滅多に使われる事のないマーファ城の東の塔。その一室にユングヴィ公女エーディンは幽閉されていた。この塔と周辺全体が実際には牢の役割を持っている。実際、塔の下層部はごく普通の牢獄である。 幽閉といっても、一応ある程度の自由は許されている。この塔を囲む庭は、すべて高い壁に囲まれており、逃げ出す事は叶わない。つまり、上等な牢獄であるだけなのだが、それでも緑のあふれる庭は、公女には気持ちを安らげられる場所なのだろう。顔を上げた公女は、思ったほど不安そうな表情を浮かべてはいなかった。 むしろ、ジャムカの方が動揺した。彼は一瞬、兄が彼女を攫ってきた事を納得してしまったのだ。それ程に、この公女は美しかった。柔らかいウェーブのかかった美しい金色の髪。整った美しい顔立ち。ヴェルダンにも美人はいる。だが、彼女の美しさは、まったく質の違う美しさだった。 「どなた……ですか?」 もう一度、その声がジャムカの耳をうった。よほど呆然としていたのだろうか。公女は、不思議そうな表情を自分に向けていた。 「あ……いや、なにか不自由はしていないか?」 考えてみれば間の抜けた質問である。幽閉されている人間が、なにか不自由を感じないはずもない。 「いえ……そう贅沢を言う事の出来る立場にはありませんから……」 そういって公女は儚げに笑う。だが、その表情も、美しく思えた。 「そうはいってもこの扱いはひどいよ!!」 急に別の声がした。それは、子供のような声だった。今、この庭には自分と見張りの兵、それにエーディンしかいないはずなのに。思わずきょろきょろと周りを見回してしまう。 「ここだよ。おいらは」 声がしたのは足元からだった。そこにはちょうど手を広げたほどの隙間がある。塔の地下牢の採光と通気のための窓であった。 「デュー、お前か」 それは、数日前に城に盗みに入ろうとして、運悪くジャムカに見つかり、捕らえられた盗賊の少年だった。ただ、ジャムカに見つからなければ逃げおおせていただろう。まだ少年にもかかわらず、その腕は確かで、ジャムカも弓で少年の服を縫いとめて捕まえたのだ。ジャムカは、この弓術に関してはかの弓使いウルにも劣らないと自負していた。だが、ジャムカ以外にこの盗賊を捕らえることはできなかっただろう。 「あ、彼を責めないで。私の話相手になってくれているのだから」 シスターであるエーディンが盗賊のデューを弁護する。いささか奇妙な感じがした。 「そうだよう。こんなところじゃ何にもできるわけないじゃないか。ねえ、出してくれよう。もう悪さはしないからさあ」 猫なで声、というにはもう声変わりしつつある少年の声では苦しいものがあったが、その奇妙さがかえって可笑しかった。思わず笑みが洩れる。しかし、それ以上はデューにはかまわなかった。デューもそれが分かっていたのか、ベッドに寝転がったようだ。 「君は随分優しいのだな。盗賊と親しく言葉をかわす貴族など、いるとは思わなかった」 「盗賊といえども人間です。それに、彼が盗賊に身をやつしているのは、彼がそうしなければ生きていけないような状況にあったからかもしれません。だとすれば、それは彼だけの責任ではなく、このグランベル全体の罪でもあるのです」 その美しい容姿からは想像もできないような、強くはっきりとした口調だった。ジャムカは驚いてエーディンを顧みる。はっとするほど美しい双眸が自分をまっすぐに見据えていた。後ろめたさなどと縁のないその視線は、まるで、全てを見通してしまうのではないかとすら思えた。ジャムカは自分から目をそらした。それは、自分の中に、なにか後ろめたいものがあるのだ、ということには後で理解がいった。そしてそれは、ジャムカの中にある変化を起こしたのだ。 |
ガンドルフの、余裕の態度が崩れるまで、そう時間はかからなかった。制圧したはずのユングヴィ、さらにヴェルダンの玄関とも言うべきエバンスがグランベルによって制圧されたという報がもたらされたのは、ガンドルフが自分の城であるマーファに戻ってからわずか一月後であった。 グランベル軍の主力はそのほとんどがいないはず。まさかもう戻ってきたのか、と焦ったがそうではなかったのだ。シアルフィの公子シグルドがわずか数騎でユングヴィ、エバンスを陥落させたのだ。その後、エバンス城にグランベルの残存兵力がいくらか集められ、ヴェルダンへの侵攻を開始したのである。 その間。ガンドルフはというと何もしていなかった。攫ってきたエーディン公女は、かたくなにガンドルフの求婚を拒み続けた。ガンドルフが力ずくで、という気にはならなかったかというわけではない。ただ、略奪するだけして、ともすれば王都バーハラを脅かす事ができれば、講和の際に正式にグランベルに結婚を認めさせる事ができると思ってもいたからだ。そうなれば一公女の意志など無視して、自分はユングヴィの公女の夫となる。また、エーディン公女はユングヴィの後継者でもあるから、グランベルの貴族の仲間入りが出来る、とも考えていたのだ。 しかしその計画は、音を立てて崩れ去ろうとしていた。バーハラを脅かすどころか、逆に自分達が脅かされている。こんなはずではない、と焦りつつも、ガンドルフはとにかく軍に招集をかけ、また、王都から第三王子ジャムカの部隊も呼び寄せた。 呼び出されたジャムカは、憮然とした表情で兄に再び面会した。ジャムカとしても、こんなに早くグランベルがヴェルダンに侵攻してくるとは思っていなかった。だが、遅かれ早かれ来るのは分かっていた。いくら主力がイザークに行っているとはいえ、グランベルは強兵の国である。聞けば、エバンス城を陥落させたのは、シアルフィ公子シグルドが率いる、ごくわずかな手勢だけらしい。それが、可能なのだ。それが、聖戦士の力というものなのか、あるいは兵の質の違いなのか。それとも両方かもしれない。 「だから言っただろう、兄貴。グランベルと戦争をして、ただで済むと思ったのか。この上は、エーディン公女をおとなしく引き渡し、降伏した方がいい。あたら戦闘で国土を荒らすことはないだろう!!」 ジャムカは強い調子でガンドルフに詰め寄った。実際、戦争などしている場合ではないのである。 ヴェルダンは気候は温暖なのだが、農業技術が発展していない。当然、耕作能力は低い。季節はこれから夏に向かうところである。この、大切な時期に戦争などして国土を荒らしてしまっては、今年の収穫もままならない。確かに、森には恵みが多く、冬もそれほどは寒くないので飢え死にすることはないだろうが、それでもひもじい思いをするのはヴェルダンの民たちだ。彼らのためにも、こんなバカな争いはするべきではなかった。 しかし、ジャムカの言葉を聞いた時、ガンドルフの眼には、別の、危険な光が宿った。 「そ、そうか。あの公女がいたんだ。奴等がこの城までやってきたら、あの公女を人質にとって、グランベルを降伏させてやる。そうだ。なんでこんな簡単なことを思い付かなかったんだ」 「兄貴!!」 ジャムカは半ば以上呆れていた。ここまで兄の精神が卑怯者になっているとは思わなかったのだ。 攻めてくるグランベルは強兵であるとはいえ、ごくわずか。ヴェルダンの全軍より遥かに少ない。その相手に対して、よりにもよって女性を人質とするなど、ジャムカには到底耐えられる屈辱ではなかった。 「兄貴には戦士として、このヴェルダンの王子としての誇りはないのか!!」 「そんなもの!!」 そういってジャムカを睨み付けた兄の目は、すでに正気のものではなかった。あるいは、初めから狂気にとらわれていたのかもしれない。 「そんなもので戦いが勝てると思うのか!!」 正論ではある。だが、それすら失った戦いはただの殺し合いではないか。いや、それともそう思う事がそもそも偽善であるのか。兄のこの、狂気にとらわれたような状態こそ、あるいは人が人を殺す時のありようなのかもしれない。 だがそれでも、少なくとも女性を人質にするなど、あってはならない事だ。 ジャムカは、すでに何を言っても無駄に思える兄の前を辞した。 エーディンが囚われている塔の周囲は、まだ戦闘を予感させるものは何もなかった。エーディンはデューや、同じく囚われているディアドラという娘とよく話していたが、この時は一人であった。ジャムカは、彼女の姿を認めると、しばらく思案するように立ちすくんでいた。 彼女を人質に、グランベル軍を退かせる。あるいは降伏させる。おそらく、それは可能だろう。 だが、そうまでして何になるというのか。人質が永久に有効であるとはとても思えない。いずれはグランベルに蹂躪されるだろう。それは、ヴェルダンだけでなく、エーディン公女も不幸にする。ジャムカは、王子としてはあるまじき事ながら、国の不幸よりエーディンが不幸になる方が耐えられないと感じていた。 ならばどうするべきか。答えは出ていた。そして、今がその好機であった。 「あ、ジャムカ王子……なにか?」 ジャムカが呼びかけた時、エーディンはちょうどデューと何かを話しているところだった。傍目には一人でいるようだったが、実はデューの牢のそばだったようだ。 「ついてこい。今ならこの城を抜け出せる。城の連中もグランベルを迎撃するために戦いの準備だ。今しかない」 「え……?でも、あなたはヴェルダンの王子ではないの?」 「兄貴のやり方には納得がいかない。俺もヴェルダンの戦士だ。だが、いやだからこそ卑怯な戦いはしたくない。正々堂々と戦いたい」 惨めな勝者であるより、誇りある敗者に。言葉には出さない、ジャムカの想いが、エーディンにはよく分かった。彼女もまた、聖戦士の末裔であるのだ。 「だったらあなたも一緒に。この戦いは、そもそもあるべきではないのです。いえ、戦いなど、本来あるべきではないのですから。私は、あなたが倒れるのは見たくない。死地に赴く人を、私は見捨てられない」 ジャムカは軽い驚きを込めてエーディンを見やった。ただの深窓の姫君とは違う。戦士としての自分の心情を、彼女はよく理解してくれていた。 「いや、やはり俺は一緒には行けない。この戦いは間違っている。だが、まだ手後れではないはずだ。もう一度、父王にこの戦いを止めるように進言する。兄貴達のやり方は気に食わない。だが、俺はヴェルダンの王子であり、国と民に責任がある。その責務を果たすためにも、この戦いを止める」 「そう……ですね。あなたはヴェルダンの王子なのですね。わかりました。いえ、お願いします。手後れにならないうちに……この戦いを止めさせて下さい。バトゥ王に」 エーディンもまた、公国の公女である。ジャムカの気持ちは、全てではないにせよ、理解する事が出来た。行かせたくない、一緒に来て欲しいと思う気持ちがある一方で、引き止めてはいけないのだ、と理解はしていた。 お互い別れがたい、という気持ちはあったにせよ、それを言葉に出すべき時でないのは承知していた。それでも、今向き合っていられるこの時間を惜しいと思っている。 「あのさあ、行くなら早くした方がいいよ。いつまでもいると、見つかっちゃうよ」 二人の時間を通常空間に引き戻したのは、第三者だった。牢の中からの盗賊の少年の声に、二人は我に返り、慌てて走り出す。しかし、そこで二人は同時にある問題に気付いた。 「エーディン……このあたりの地理、わかるか?」 エーディンは黙って首を振った。完全に失念していた。考えてみれば当たり前の話で、エーディンは無理矢理この城に連れてこられたのだ。途中の道を覚える余裕などあったはずもない。だが、今から道案内人を探すような時間もまた、ない。 「おいらならこの辺もわかるよ」 その足元からの声は、もちろん盗賊デューのものだった。 ジャムカは一瞬悩んだ。しかし、答えが出るまでにはそう時間はかからなかった。 もともと選択肢などない。もし、エーディンが道に迷ってまた捕まってしまうような事になったら、それこそ最悪である。 ジャムカは矢のように走り出すと、塔の地下へ行き、デューの牢を開けた。 「いいな、お前は本来なら出る事は出来なかったんだぞ。だが、今回は……」 「わかってるって」 デューはそういうと元気よく外へ飛び出す。 「ジャムカの恋人守るなんてかっこいいじゃないか」 それは、小声であるため、エーディンには聞こえないはずだった。しかし、それでもジャムカは慌ててデューの口をふさいだ。 「な、何をいきなり!!真面目にやる気があるのか!!」 ジャムカの照れ隠しの平手をデューはあっさりと避けると、にっこりと笑う。 「照れない照れない。それより、早く行かないと」 言うが早いか、デューはもう走り出していた。 |
「じゃあ、頼んだぞ、デュー。なんとしてもグランベル軍までエーディンを送り届けるんだ」 盗賊の少年は元気よく首を縦に振る。 「まかせてよ。それより、ジャムカも気を付けてね。なんかいや予感がするんだ。盗賊のカンはあたるから……」 エーディンもまた、心配そうにジャムカを見ていた。口には出さない。それは、ジャムカの想いを無駄にしてしまうから。だから彼女は、ただ見つめているだけだった。 「早く行け。いくら兄貴でもすぐに気付くだろうから。デュー、必ず彼女を守り抜けよ」 盗賊の少年は黙ってうなずく。そして、エーディンを連れ立って、走っていった。ジャムカはその彼らの姿が見えなくなるまで、それを見送っていた。 「エーディン……できればもう一度……会いたい。その時は……」 ジャムカのその独白は、誰も聞いてはいなかった。 |
written by Noran |