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永き誓い・第十三話




 絶望という名の悪夢が、シャナン達を包もうとしていた。
 すでに陽は落ち、辺りは小さなたき火の周りを除いて、完全な闇に包まれている。
 それでも、小さな子供達はまだ何も分からないのか、そのほとんどが安らかに眠っていた。しかしただ一人、セリスだけは、シャナンやエーディンのただならぬ雰囲気を察しているのか、オイフェの傍から離れようとしない。
「おいふぇ、辛そう。どうしたの?」
 シャナンは、それには答えられなかった。大切な仲間が倒れているというのに、何もできないという無力感。
 いくらここがかつてイザーク王国であったとしても、今は他国に蹂躪され、盗賊や夜盗の跳梁跋扈する無法地帯であることを忘れていた。その迂闊さが許せない。
「しゃな、しゃなも怪我?」
 セリスは、無邪気にシャナンの血に汚れた衣服を指差す。
「ち、違うよ。僕は怪我してない。それより、セリスも早く寝な……」
 シャナンはそう言って、セリスを寝台に運ぶために、セリスに触ろうとして、その手が動かなくなった。いや、むしろ微かに震えている。
 自分の手が、真っ赤な血で染まっている様に見える。手についた血は、洗い流したはずなのに。
 呼吸が苦しくなってくる。
 今この手でセリスに触れてしまうと、そのセリスの無垢な魂までも、汚らわしい血で汚すことになるという錯覚すら覚えた。
「しゃな?」
 セリスは不思議そうにシャナンを見つめる。シャナンは、自分でも不自然なほど息が荒くなり、汗をかいているのを自覚した。
「なんでもない。セリスは寝なさい。早く」
 シャナンの様子と、オイフェを気にしながらも、セリスは結局睡魔に勝てるはずもなく、眠りに就いた。
「しっかりしろ。僕がしっかりしなくて、どうやってみんなを守る」
 小声で、自分に言い聞かせる。しかしそれでも、手の震えは止まらない。黒く血で染め上げられた大地は、今も瞼の裏に焼き付いている。
 殺らなければ、殺られていた。
 事実、オイフェは殺されるところだったのだ。いや、今も奴等のために、生死の境をさ迷っている。
 しかし彼等を殺しても、オイフェが回復したわけではない。むしろ、生かしておけば、解毒方法を聞けたかもしれない。激情に任せて、剣を振るってしまったのは、あまりにも軽率だったのではなかろうか。
「シャナン大丈夫? あなたも、もう寝なさい」
 エーディンが、粥を作って戻ってきた。
「す、すみません……一番しっかりすべき私が、こんなことになってしまって……」
 オイフェは、いつ目覚めたのか、辛そうにしながらも上体を起こした。
「大丈夫? せめて体力を失わないように、と思って作ったのだけど、食べられる?」
 オイフェは、小さくうなずくと、さじをとろうとしたが、震えてしまって持つことができない。それを見て、エーディンがさじをとって、オイフェの口に粥を流し込む。
「申し訳ありません、エーディン様。貴女にこのような……」
 オイフェは、そこまで言ったところで、突然苦しそうに胸を抑えた。げほげほという激しい咳と共に、せっかく食べた粥も外に出してしまう。しかも、それには血が混じっている。
「オイフェ!!」
 シャナンが驚いて駆け寄ったが、オイフェは苦しそうに胸を抑えているだけだ。やがて、がたがたと震えだしてきた。
「そんな、凄い熱!!」
 エーディンが驚いて、水と手ぬぐいを取ってきた。確かに、オイフェは異常なほど熱くなっていた。
 はあはあ、という苦しそうな呼吸は、断続的に混ざる咳で、さらに苦しそうに聞こえる。
 顔色も、ひどく悪い。混乱する中、シャナンは何かできることはないかと、必死に考えていた。
 その時、シャナンはかすかな物音を聞きつけた。外を、足音を忍ばせて何者かが歩く音。何者かは分からないが、少なくとも足音を忍ばせている以上、友好的とは思えない。とすれば、敵だ。あるいは、もしかしたらシャナン達が乗ってきている馬車を奪おうというのかもしれない。
「エーディン、ちょっと待ってて」
 シャナンはそういうと剣を取った。一瞬、躊躇ってしまうのはどうしようもなかったが、今はそんなことを言っている場合ではない。静かに扉を開けて外に出る。
 この家は、大きな木が上に張り出しているので、出入り口付近は完全な闇だ。だが、それ以外は、半月の月明りで、多少は見える。
 見えたのは、二人。一人は、自分とそう変わらないぐらいの背の高さだ。けれど、油断はできない。子供連れで油断させるような輩だって、いるかもしれない。
 剣を握る手が、わずかに震えていた。また、人を斬るのか。殺すのか。殺らなければ殺られる。当たり前の事実。だが、本当に殺してもいいのか。結論は出ない。
 だが、どっちにしても今の安全を確保するためにも、今見える二人の危険性を確実に排除しなければならない。そして、今戦えるのは自分だけなのだ。
「ぬ? 子供か? 子供がなぜこんなところに……」
 シャナンは一瞬驚いた。完全に闇の中にいると思ったのに、相手には見えていたのだ。だが、これで不意を討っていきなり殺してしまう可能性はない。奇妙なことに、シャナンはそんなことで安心していた。
「この先には、行かせるわけにはいかない!!」
 シャナンはそういうと剣を抜いて突っ込んだ。だが、邪魔は予想もしないところから入った。
「危ない、おじいちゃん!!」
 もう一人いた、子供の方がいきなり間に割って入って来たのだ。しかも、シャナンの斬撃を受け止めた。月明りと、わずかに散った火花の中見えたのは、黒髪の女の子だった。
「どけ!!」
 シャナンはそう叫ぶと連撃を繰り出した。女の子は、初めの数撃は受け止めていたが、すぐ追いつめられていく。体勢の崩れたところに、シャナンの強烈な一撃を受け、女の子は剣を弾き飛ばされた。
「邪魔だ!!」
 その時シャナンは、完全に自分を失っていた。剣を振るうこと、戦うことにある種の喜びすら覚える狂気。それがシャナンを支配していたのだ。
 何も迷うことなく、シャナンは剣を失った少女に剣を振り下ろす。
 続いて響いた音は、シャナンの剣が女の子を切り裂く音ではなく、もう一人の男――女の子がおじいちゃんと呼んだ――の剣と、シャナンの剣がぶつかった音だった。その間に、女の子は下がっている。
 そのまま、二人の一騎打ちが始まった。だが、シャナンは自分の力量が、明らかに目の前の男――というよりは老人より劣っていることに気付かされた。しかもよく見ると、老人は剣を鞘ごと抜いて戦っている。殺すつもりがないのか。力量の差を、あっさりと見ぬいている証拠だ。
 もし他に仲間がいたら。回り込んでいたら。今、家の中にいるのはエーディンと毒に倒れたオイフェ、あとは子供達だけだ。これだけ腕が立つ者の仲間であれば、エーディンでは対抗できない恐れがある。ならば、一刻も早く、この二人の危険性を排除して、戻らなくてはならない。
「うおおお!!」
 シャナンの心が弾けた。そして同時に、翡翠色のオーラが、暗闇の中で光り輝く。
「なにこの子!!」
 女の子は驚き、ただシャナンを凝視しているだけだ。だが、老人の方の対応は違っていた。
「な……まさかこの子は!!」
 光が流れる。だが、その光が加速するより速く老人の剣――無論鞘はついたままだが――の先端がシャナンの胸を強打した。途端、オーラが消えて、シャナンは弾き飛ばされ、そのまま家の壁に激突する。しかし、それでも剣は離さない。
「いかん、やりすぎたか?!」
 老人は慌ててシャナンを助け起こそうとした。ところがシャナンは、その手を弾き飛ばすと、剣を振りかざしてきた。女の子の悲鳴が響いた一瞬の後、シャナンの剣は老人によって手から弾かれ、遠くに飛ばされてしまっていた。
「くっ」
 それでもシャナンはその隙に老人を蹴りつけて距離を取る。老人は、蹴り飛ばされた胸部を抑えながらも、半ば驚き、半ば感嘆したような表情でシャナンを見て、そして突然剣を置き、ひざまずいた。
「貴方はもしや、イザーク王国の継承者、シャナン王子ではありますまいか?」
 自分の名を呼ばれ、シャナンははっと正気に戻った。途端、自分の凶暴とも思える一面が、遠ざかっていく。同時に、強打された胸に、痛みが感じられた。
「え……なんで僕の名前を……」
 すると老人は、そのまま頭を地にこすりつけんばかりにしている。
「知らぬこととはいえ、御無礼を働きました。イザーク王国の王子たる殿下に剣を向けるとは。この老骨、いかなる処罰もお受けいたします」
 シャナンには何のことかさっぱり分からない。呆然として立っていると、老人は更に言葉を続けた。
「私の名はオシーン。かつて、イザーク王家で剣術指南という大役を仰せつかっていたものです。シャナン王子は覚えておられないでしょうが、私は王宮を退いた後、一度だけ王城へ行った時に、シャナン王子にお目にかかったことがございます。それに、お父上であるマリクル陛下の幼少の頃によく似ておられる。そしてなにより、先ほど王子が使おうとされた流星剣。あれを操れるのは、イザーク王家の者だけでございますれば」
 シャナンは驚いて老人を見下ろした。まさか、まだそんな人が生き残っているとは思わなかった。偶然という名の神に、感謝すらしたくなる。しかし今、その再会を喜ぶ余裕はなかった。
「じゃあ、じゃあオイフェを助けて!! 今オイフェが毒にやられていて大変なんだ!!」

「むう。グランベルの残党どもが、ここまで卑劣なことを……」
 オシーンと名乗った老人は、オイフェの症状を見ると、荷の中から、いくつかの薬草を取り出し始めた。
 無論、オイフェがグランベルの人間であることに、オシーンは非常に驚いた。仇敵であるはずのグランベルの人間と、シャナンが共に行動していることに。
 だが、少なくともイザークでは、死にかけて、助けを求める者を見捨てることは、何よりも不実であるとされていたし、王子の願いでもあるため、すぐに治療にとりかかる。
「フェイア、水を汲んできなさい。それからお嬢さん、火を起こしてくれ」
 エーディンは一瞬「お嬢さん」といわれたのが自分のことだと気付かなかった。考えてみたら、この老人からしてみたら、若い女性はみんな「お嬢さん」なのだろう。妙なところでちょっと喜んでしまったが、もちろんすぐに火を起こしに行く。
「僕も水を汲んでくる」
 オシーンがなにか言い出すより先に、シャナンも桶を持って外に出た。水場は、少し離れたところにある小川だ。危険がないとはいえないし、シャナン自身、じっとしていることに耐えられなかったというのもある。
「貴方が王子だったなんて……ごめんなさい。私、とっても失礼なことを言ってしまって」
 並んで歩いているとき、女の子の方から口を開いた。確か、オシーン老人はフェイアと呼んでいたはずだ。
「いや、僕の方こそ、いきなり斬りかかったりして、ごめん。なんか、どうかしていた」
 女の子は、私は大丈夫だから、と言ってから「あ」といって口を塞いだ。シャナンは不思議そうな顔になる。
「いけない。王子様相手にこんな口調で。すみません。大変失礼しました」
 そういって頭を下げる。あまりにも場違いな謝辞であり、シャナンは一瞬呆然としてしまった。
 気がついたら小川のほとりにまで来ている。
「い、いいよ。だって僕、王子だって言われてもよく分からないし、それに、イザーク王国は……今はないしね」
 少し寂しそうな表情になる。確かに、悔しい、と思う。けど、またどこかで安心していた。祖国の人に会えたという安心感。それに、フェイアは自分と年齢も変わらないように見える。
 今まで、同世代の友人というのはシャナンにはいなかった。もちろん、かつてイザークにいた頃には、こっそり城を抜け出して街の子供達と遊んだこともあるが、イザークを脱出して以来、ほとんどシグルド達と一緒にいて、またセリスの世話や、剣の稽古が忙しくて、友達を作る余裕もなかったのだ。
「それより、友達になって欲しいな。ずっといなかったから……」
 フェイアは驚いてシャナンを見ている。まさか、王子から「友達になって欲しい」などといわれるとは思ってもいなかったのだ。
「え、あの……」
 フェイアがどう反応していいか戸惑っているうちに、シャナンはさっさと水を汲んで戻り始める。フェイアも、慌てて水を汲んでシャナンに追いついた。
「友達、といわれても王子と友達なんて恐れ多くて……身分がその……」
「それ言っていたら僕は誰も友達がいないよ。イザークにいたときは、みんな遊んでくれたんだから」
 それは、半分は事実だった。シャナンは、友達にイザークの王子であることを言っていなかったのだ。無論、別に隠していたわけではない。ただ、シャナン自身がそれを認識していなかったこと、子供達も気にしなかっただけなのだ。
 そうしている間に、元の家に戻って来ていた。シャナンとフェイアは、水桶をオシーンの前に置く。オシーンは、薬草をすりつぶし、汲んできた水をいくらか器に入れて、火にかける。
 その後のことは、シャナンは覚えていない。気がついたら、眠りに落ちていたのだ。疲れてもいたし、またそうでなくてもこれほど遅くまで起きていたこともない。
 翌朝、シャナンが目を覚ましたのは、オイフェに揺り起こされたからであった。
「オイフェ!! もう大丈夫なの?」
「うん。心配かけてごめん。もう大丈夫。ありがとう、シャナン」
 少しやつれた印象はあるが、元気そうだ。シャナンは一気に安心してしまうと、とたんに座り込んでしまった。
「ちょっとシャナン大丈夫?」
「あ、うん。安心しちゃって……よかった……」
 涙が、少し溢れてきていた。イザークへと発ってから、これほど嬉しかったのは、もちろん初めてである。そこに、オシーンがやってきた。
「どうも、このたびは大変お世話になりました。その、敵国の者である私のために……」
 オシーンはちょっと複雑そうな表情をしたが、
「なに、王子の頼みとあってはの。それに、おぬしは敵には見えぬ」
 といって、オイフェの背中をバンと叩いた。オイフェはいきなり叩かれて咳き込んでしまう。
「おぬしの生き延びようとする意志の強さの賜物じゃ。普通なら、とっくに死んでいてもおかしくなかったわい」
 平然と、ぞっとするようなことを言ってのけると、オシーンはいきなり真面目な顔になる。
「それで……これからどうなさるのか、お決まりなのか?」
 オイフェにも自然に礼儀正しく接している。あるいは、王子の仲間だから、ということだろうか。
「いえ……正直、どうすれば良いのかも分からない状態です。イザーク国内が、これほどに治安が悪くなっているとも思わなかったですし……」
 オイフェの知識では、イザークは確かに元々治安はあまりよくはなかった。
 イザーク王国はいくつかの部族に別れていて、そのうちの一つがイザーク王家なのである。ただし、王家の力は他の部族を圧倒する。それは、イザーク王家が剣聖オードの力を引継ぐ家系だからに他ならない。しかし、その影響力は国内全てを圧するほどではないのである。ゆえに、部族間の争いなどは、いつも起きていたらしい。それは、シャナンの祖父、マナナンが即位するまで続いていたという。
 シャナンの祖父マナナンは、イザーク王国を強力にまとめ上げた。部族間の枠組みを残したまま、それを国家という枠組みの中に取り込んだのである。特に有力な部族は貴族として、爵位などを与えたりして、領地を下賜する、という形式を取った。これによって、その部族はイザーク王家に従属する形になるのだが、実際にはほぼ自治を認められており、実質は変わらない。ただ、道の敷設や治水などの事業を行うとき、王家から援助を受けることができる代わりに、王家に対して一定の租税を払う、ということになるだけである。
 マナナン王の治世の時代に、イザークは急速に国家としての形を整えていった。グランベルがイザーク王国を侵略したのは、まさにそんな時期なのである。見方によっては、国家としてのイザークをグランベルが恐れたようにも見えなくもない。
「ふむ。おぬしらはイザーク国内のことはよく知らぬのだろうが……わしらはイザークの外のことを全く知らん。そもそも、何故おぬしらはイザークにおって、シャナン王子と共にいるのか。簡単でよいから聞かせてはもらえぬか?」
 オイフェは、一瞬この老人が果たして信用できるのかを考えてみたが、考えてみれば今の自分達には味方がいない。イザーク国内のことに詳しい人が、一人でも欲しい状況だったのだ。
「分かりました、といっても、どこから話せばよろしいのやら……」
 オイフェはそう言いながら、おそらくすべての発端であったヴェルダンのユングヴィ侵攻から説明を始めた。

「王子」
 フェイアと話していたシャナンは、オシーンの声に振り返った。オイフェも一緒にいる。
「事情は、オイフェ殿からお聞きしました。それで……」
「私達は、イザーク国内のことに関して、余りに無知だ。だから、オシーン殿を頼ることにした。いい?」
 オイフェが、オシーンの言葉を引継いだ。もちろん、シャナンには異論を挟む理由はない。それに、やっとできた友達――フェイアとも一緒にいられる、というのも嬉しかった。
「うん。もちろんいいよ。それじゃ、よろしく、オシーンさん」
 するとオシーンは、なんとも困ったような顔になる。
「王子。オシーンさん、ではなく、オシーンとお呼び下さい。でないと……」
 それに対してシャナンはいたずらっぽい顔になった。「やだよ」と言うと、そのまま走り出す。荷をまとめるつもりなのだろう。入れ違いに、エーディンが出てきた。シャナンは、エーディンに元気よく挨拶すると、そのまま家の中に入る。
「あの……」
 オシーンは最初、自分が声をかけられたと分からなかった。改めて、明るいところで見ると、びっくりするほどの美人だが、逆に余りにきれいすぎて、オシーンはちょっと気後れしてしまう。
「シャナンのこと、お願いします。あの子、ずっと明るく振る舞ってはいますが、多分……人を殺してしまったことに対する恐れが、まだ……。あの子の年齢だと、きっとまだ辛いと思います」
「分かっております。王子は、まだ人を殺すという事実を、受け入れられる年齢ではないじゃろう。あの子は、優しすぎるのかも知れませぬ」
 本来それは、素晴らしいことであるはずである。だが、人を殺してでも生き延びなければならない時代には、優しさは邪魔になることがある。
 シャナンの剣は、おそらくもうすでに、常人の域を越えつつある。だがそれと、あの優しさがあまりにも不均衡になりつつあるのだ。だが、それを乗り越えるのは、自分自身の力以外でなくてはならない。周りの者は、その手助けしかできないのだ。
「だが、シャナン王子はあのマナナン王、マリクル王の血を引かれるお方じゃ。きっと、乗り越えて下さるじゃろう」
 オシーンはそういうと、フェイアを呼び、シャナン王子の準備を手伝うように言って、自分はオイフェと共に馬車を出しに行った。



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